2007年10月28日日曜日

溶鉱炉の日は消さない

2007年10月27日、羽田で出発遅延となり、まとまった時間ができたので、思い切って、パソコンで論文にとりかかり始めました。
  • 覚えず、作業がはかどりました。
    機内でも我を忘れ、作業を続行しました。
    「神、降臨」です。
    溶鉱炉に火がつきました。
  • 火を消してはなるまい、と鹿児島のホテルでもカンヅメとなり、作業を続行しました。
    昼食は「のり一」、夕食は天文館銀座通りの辰巳亭ですませました。
  • コラム「鹿児島を歩く」の取材も中止です。
    28日、29日もカンヅメで、一気完成です。
    そうすればその後は別の論文をあたためることができます。
  • データや一応の構想がまとまったら、「一気書き」に旅をもってくるのも一法です。
    日常から離れるので、遠くから高くからものを見ることができ、大胆にテキパキと作業を進めることができます。
    今回の論文のテーマは川越なので、地元にいては、虫状態で木しか見えません。
    離れると、鳥になり森を鳥瞰(ちょうかん)できます。
  • 「もったいない感」があるので、集中継続できます。
  • 日常にいると、ひとは完全をめざしがちです。
    すると時間は無限に必要です。
    完璧を期すと仕事はおわりません。
    perfectionist(パーフェクショニスト、完全主義者)とは、結局何もしない人のことになってしまいます。
  • 論文などの重いデスクワークに関しては、1日かかる予定のものは、1週間かかるのが普通です。
    したがって、2日かかると思ったら、2週間を用意しておくことが必要です。
  • 重い仕事をしようとすると、一種の退避行動として、かかる前にものを片づけたり、他の仕事をしたくなるものです。
    本などを読みたくなるものです。
    溶鉱炉になかなか火はともらないものです。
  • 大事なことは、まず始めること、
    まず、着手
    です。
    そして、火がついたら、浮世の義理はかたわらにおいて、継続集中して、火を消さないことです。

2007年10月21日日曜日

五感を刺激するような体験を

立花隆『脳を鍛える』(新潮社)からの摘録です。
東大での講義を再構成したものです。
若い諸君は、海外旅行を含め、五感を刺激するような体験をする必要があります。

五感を刺激するような体験を

「発育途上の神経系に与えうる最高の教育は、五感を全部刺激するような教育である。
たった一つか二つの感覚しか訓練しなかったような人間は、哀れむべき人間の部品にすぎぬ」(リューベン・ハレック)

【桑原コメント】
今 の若者は前頭葉をもっと発達させる必要があります。
温室の日本に長くいると惰眠してしまいます。
海外の旅は五感を刺激します。
実体験に勝るものはありま せん。
環境が変わると、大脳が活性化されます。

本はとばし読みで

本というものは、一読して全部を理解する必要はない。
料理と同じで、移り箸で味見して、本当にうまいものを食べればよい。

【桑原コメント】
この本も、読みとばして興味のある箇所をチェックしておき、再読すればよいでしょう。

恋愛は破綻するもの

20歳前後の恋愛は、破綻することが多い。
それを予防はできず、対策を練ることもできない。
いちばん役に立つのは、いい恋愛小説をいくつか読んでおくことである。
恋愛にはいろんなケース、プロセスがあることがわかり、人の心の複雑さがわかる。

【桑原コメント】
ひとは手痛い体験を何度かして人生が少しずつわかってくるものです。
「青春の失敗は、人生の栄養」です。

失恋をいやすには、また失恋をすること、という人もいます。
だんだん抵抗力がついてくるからです。

生きる上で大切なこと

人間が生きる上で一番大切なことは、生きる意志であり、生きるパワーである。
生命力です。

【桑原コメント】
それよりも、使命感の方が大切でしょう。
使命感があれば生きる意志も自然にわいてきます。
使命感をもつようにつとめてください。
なければ探しだすことです。

大学はなにをするところ?

大学は自分で学ぶところである。自分で自分を教育していく自己教育の場である。

【桑原コメント】
そのためには、知的錬磨計画を練り、常に軌道を修正する作業が必要です。

必要な一般教養教育

バランスがとれた知性をもち、健全な判断力を持った本当の教養人を育てるためには、充実した一般教養教育をほどこすことが必要である。
今大学ではこれと逆 行することをやっている。
文系人には、少なくとも、「物質科学基礎」「生命科学基礎」を学ばせるべきである。

【桑原コメント】
視野狭窄(きょうさく)型の人間が大量生産されています。
数物系の知識は自分で学ぶしかありません。
本を読んで自分で勉強することの必要性がここにもあります。

インターネットが情報革命を

活版術の発明が文献の大量流布を可能にし、精神革命、思想革命、宗教革命を導き、ルネッサンスを生みだした。
インターネットも革命の起爆剤になっている。
【桑原コメント】
インターネットの普及は、活版印刷以上の大変革をこの世に及ぼしつつあります。
この革命はまだまだ続きます。

経済は下部構造ではない

あらゆるものの下部構造は、知の構造である。
知の構造が変われば、経済も政治、社会、文化もかわる。

【桑原コメント】
そして、いま人類史始まって以来の知のフレームワークが根源的に変化しようとしています。
パラダイム・シフトです。
ドキっとするほどスゴい箇所です。ここもドキスゴの箇所です。

科学の先端では大変革が進行中

科学の先端では、いま数百年に一度あるかないかというレベルの原理的大発見へ向けての挑戦が進行中で、自然の見方が根本的に変わるかもしれないところにき ている。
サイエンスに目を向けない文系知識人たちは、人間の知の世界の大変化にまったくついていけない。文系人のサイエンスの知識は、明治時代並である。

【桑原コメント】
ここもドキスゴの箇所です。
実社会では、ゼネラルに科学技術がわからないと適切な判断ができません。
科学の基礎は物理学であるのに、文系人の物理の 知識はニュートンまでの中学生レベルにとどまっています。
物理学の基礎である量子力学と相対性理論は教えてもらえません。
自学自習の必要なゆえんです。

2007年10月19日金曜日

親子関係の市場原理化が招く大学の危機

  • 長年続いた18歳人口の急騰が続き、日本の大学は600におよんでいます。
    バブル期に過剰に膨張した部分に、いま淘汰が及ぼうとしています。
    すべての大学が18歳減少期に生き残れるはずはありません。
  • アメリカが主導する市場原理主義は、国、企業、自治体、地域、サークルにまで及び、選択と集中、競争原理、自己責任、弱者切り捨ての結果、世の中はギスギスし、無力感が満ちあふれ、明日への希望が見えません。
    人の身や心はいたみっぱなしです。
  • 市場原理は親子関係にまで入り込んでいます。
    親は役に立たない大学には金を払わなくなりました。
    退学者が激増している原因は、ここにもあります。
  • アメリカやイギリスでは、親子関係の市場原理化がすすみ、9割の家庭がこどもをお荷物と考えています。
    1割だけが子どもは宝としています。
  • 日本では、まだ7割が子どもは宝だと考えています(2000年以前の統計)。
    しかし急速に、子供は家の宝からお荷物へとなっているようです。
    けなげな親が消滅しつつあります。
  • 今大学改革の主導者は、教授会でも理事会でもありません。
    受験生市場です。
    大学は、世界標準に適合し、ユーザー(受験生や親)の要望を満たすものに再編しなければ、生き残ることができません。

【追】
日本国を家庭の家計になぞらえると、月収40万円なのに支出は58万円で、毎月18万もの赤字がふえている状態です。
いずれ、アメリカのとなえるグローバリズムは終焉を迎えるでしょうが、この暗い時代が終わるまで、日本の若者は、自分の足で立ち、考え、発言し、しっかりしなければなりません。

2007年10月17日水曜日

医学の常識を超える千日回峰行

在韓中の2007年10月13日、千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)のニュースを耳にしました。
医学は、千日回峰行を説明できません。
  • 千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)は、7年間毎日比叡山を30キロほど走るところから始まります。
  • 激しい荒行で大きなカロリーを消費するにもかかわらず、食事はうどん、ジャガイモ、豆腐半丁を1日2回だけです。出力量と入力量が違いすぎます。
    7年目は、100日間が1日84Km、300カ所の巡拝となります。
    睡眠時間はわずか2時間です。
    医学では説明がつきません。
  • イラク人を見ていると、砂漠のようなところに住んでいて、野菜をとっていません。体格もよく元気です。
    モンゴル人も野菜をとりません。健康です。
  • 学生時代、『パプアニューギニア高地民』の畑中幸子さんから直接話をうかがいました。
    「かれらはサツマイモしか食べないのに、健康です。」
    豆は空中から栄養分を取り入れます。人間にもそれができるようです。
  • 禅のお坊さんが、小食なのに頭がひかり健康そのものなのは、長年の鍛錬で空中から栄養分をとっているからでしょうか。
  • スウェーデンの調査では、人間ドックを受けない人のほうが受けている人より長命だとか。
    高齢者がうけると、必ず3つ、4つの悪い箇所がみつかり、それの治療の過程で、精神的にめいってしまうことが原因のようです。
  • 中国の仙人は、運気の生ずるところで霞を食べて生きるといわれています。
    坂戸市の道教寺院「聖天宮(せいてんきゅう)」も、運気が生ずるところに建立されたと聞いています。

  • さて、千日回峰行の最後は、「堂入り」です。
    ほらあなのような堂の中で、ひとり、9日間、眠らず、食べず、水も飲まず、横にならず、真言を10万回唱えます。
    断食断水、不眠不臥(ふが)といいます。

  • 医学は、まだ小学校1年の段階にあるようです。
【cf.】

2007年10月16日火曜日

障害者の「害」について

障害者を、「害」の字をきらって、「障碍者」あるいは「傷がい者」と記す人がいます。
しかし、次のように「障害者」に固執する人もいます。
  • 障害とは、公害、薬害、事故などの障害によって後遺症をもたされた人のことです。
    障害は、障害をもつではありません。
    この責任は、国や、自治体や、企業や、社会全体にあったりします。
  • 「障がい」では、障害の責任はどこかへ行ってします。「身障者」でも同様です。

  • 水俣病では、大量のメチル水銀を廃棄し続けた企業のチッソばかりでなく、国も熊本県も自治体も地域社会も加害者となり、多くの人に「障害」を与えました。
  • 水俣病ウィキペディア
  • 水俣病【画像】

  • 【追】
    障害者から、わたしたちは、純朴な愛、素直さ、正直さ、元気をいただきます。
    わたしたちが、なにかをほどこすのではありません。

2007年10月8日月曜日

なぜ企業は労働分配率を上げない?

  • 好景気だけど個人所得は減っています。
    勤労者家計可処分所得は、2005年には、1997年とくらべると、1割以上も減っています。
    これが個人消費低迷の理由です。
    使うお金がないのです。
    企業の利益は、1998年は21兆、2005年は52兆で、2倍以上ふえています。
  • 労働分配率とは、会社のもうけをどれだけ従業員に渡しているかの割合です。
    1998年にはもうけの70%を渡していましたが、2006年には62%に減ってしまいました。
    さらに減り続けます。
  • 企業側の言い分は、経常利益の7割近くが海外活動、マネーゲーム(海外金融資産の運用)によるものだから、国内の従業員には還元しない、ということです。
  • 海外で働く日本人もふえています。いまバンコク日本人学校1校の生徒数は2300人です。

2007年10月2日火曜日

ビスタでおわりのマイクロソフト

  • 1995年、ネット時代の到来を読めなかったビル・ゲイツは、ネットスケープを追撃するために、インターネットエクスプローラを無料にするなどなりふり構わない商法を展開しました。
    結果として独禁法違反訴訟を抱え込みました。
  • ウェ ブ2.0時代を迎え、グーグルはGメールやワード、エクセル、パワーポイントにあたるソフトを無料で提供しています。
    それらのファイルは、自分のパソコンにではなく、空 の上に収納されるようになっています。
    どのパソコンからでも利用できます。
    ビスタのような高機能のパソコンはいらず、オフィス2007(ワード、エクセ ル、パワーポイント)も不要です。
  • ビル・ゲイツ(Bill Gates= 請求門)は、ユーザー無料時代を予見できず、ビスタで、オフィス2007で高額の請求をユーザーにおこなっています。
    マイクロソフトを必要としない時代がもうきています。