2007年6月12日火曜日

ロングテールは絶好のチャンス

ロングテール現象

  • ロングテール(Long Tail=長いしっぽ)現象とは、店頭にない無名の書籍などが、店頭の書籍の販売額を上回ったりすることです。
    リアル書店にはない無名の本が、アマゾンでは売り上げの8割を占めます。
    図の黄色の部分が書店であつかう品目で、恐竜の頭のように見えます。
    ブルーの部分が ロングテールです。
  • かつてのマーケット理論は「ニッパチの法則」でした。
    「2割の商品が売り上げの8割を占める」「航空会社の乗客の2割が売り上げの8割を占める」などです。
  • 今は市場という恐竜を支配するのは、ヘッドではなく、長いしっぽ(ロングテール)となってきています。
    ロングテールとは、ウェブ2.0の主柱をなす概念で、無数のYouのことです。
    紙媒体の雑誌はプロの書き手と編集者のコラボ(共同作業)ですが、ウェブ2.0では無数のYou(=ロングテール)が、 編集者を通さずにコンテンツをつくっていきます。
  • 米誌『Time』は、2006年の「Person of the Year(今年の人)」に「You(あなた)」を選びました。ネット社会がリアル社会に地殻変動を起こす「総表現者時代」の到来を予見した決定です。
  • ウェブ2.0の例としては、クチコミサイトの「価格.コム」「@コスメ」、Q&A コミュニティの「はてな」「OKWave」、SNS(ソーシャル ネットワークサイト)の「mixi」「GREE」、ブログの「ココログ」「エキサイトブログ」、さらには誰もが書き込めるネット上の百科事典「 ウィキペディア」、「アマゾン」の書評、動画共有サイト「YouTube」があります。
  • ロングテールは、長年にわたり市場経済を支配してきたニッパチの法則を打ち破るパラダイム (paradigm、枠組み)であり、無数のYouにとって血湧き肉躍るフロンティアの登場で す。

【追】
ブッシュはイラクという頭をたたくのに性急なあまり、うしろにひかえるイスラム世界というロングテールを無視しているようです。
世界の4人に1人がイスラ ム教徒です。
取るに足らない大多数はいまアメリカが発明した携帯電話やミニ兵器を使って、ものを言いはじめています。

イスラム世界は、かつての弟である西 欧にすさまじい怨念を何百年来有しています。
怨念は論理ではないので、ちっとやそっとでセットできません。
恐竜のしっぽはアメリカ一極支配を解体しはじめ ました。ロングテール効果を活用して、silent majority(声なき大衆)がいつのまにかvocal majority(声を出す大衆)になり、世界を変える契機をつかんだといえましょう。
イスラム教徒の人口