2007年7月11日水曜日

知識社会ははじまったばかりである。

知識社会

  • 知識社会は始まったばかりです。人類は、1万年の農業革命、300年の産業革命を経て、 情報革命のまっただ中にあります。
  • 農業革命は農業社会を生み出しました。
    農業革命には1万年を要しました。
    農業革命がはじまったのは、人類500万年の歴史のうち、ほんの1万年前です。
  • 産業革命は工業社会を生み出しました。
    産業革命は、工業という新たな価値観を生みだし、わずか300年で近代社会を築き上げました。
  • 情報革命は知識社会を生み出します。
    情報革命は、今までよりはるかにスピーディーで、巨大な変革を起こしつつあります。
    50年ほどで知識社会をつくりあげるでしょう。
    今先進諸国は、農業社会であり、工業社会でありながら、その上に巨大な知識社会を生み出そうとしています。
  • 2005年11月に旅だったドラッカーは、「知識こそが本当の資本である」と説きました。
    また、「企業にとって最も重要な資産は知識労働者である」とも語りました。
    会社員は、たんなる必要経費ではなく、磨けば膨大な価値を生む宝石の原石ということです。
    農業社会では資源は土地でした。
    工業社会では工場でした。
    知識社会では資源は知的労働者の頭の中にあります。
若い知識人には、ここ数十年、無限の可能性があります。

【追】
情報革命の「情報」とは、informationではなく、IT(Information Technology、情報技術)のことです。
情報革命には、技術を必要とします。
技術とは、インターネットをクリックしてみるだけでなく、ブログなどをつづることを含みます。
ゲームをするだけでなく、図形描画などで何かを作り出すことを含みます。
技術は、日々変革します。
変革する社会に応じて、自分も変革する必要があります。
SJT(自己開発、Self Job Training)により、みずからをバージョンアップし続けることをエンジョイしたいものです。

2007年7月8日日曜日

自分経営、組織経営とは時間管理のこと

自分経営、組織経営とは時間管理のこと

  • 仕事術や時間管理の本が売れています。
    日本のホワイトカラーの生産性を上げるのが、至上命題になっています。
  • 経営学の神様ドラッカーは次のようなことを言っています。
    「一日一日の時間経営(time management)ができる人が、自分経営(self management)ができる人です。」
    時間の有効経営ができて、はじめて自分経営(セルフ・マネージメント)ができます。
  • 自分経営ができて、組織経営をする資格があります。
    時間経営、自分経営、組織経営、これを管理の3ステップといいます。
  • 組織とは、自分のまわりのグループ、家族、職場、会社のことです。
    二人だけの組織もあります。
  • 世の中で活躍している人は、時間の有効な使い方と思想をもっています。
    時間管理の達人です。
    ドラッカーの『ネクスト・ソサエティ』が全世界に先駆けて日本で2002年5月に発売されました。
    ネクスト・ソサエティとは、歴史がみたことがない社会のことで、もうはじまっています。
  • 社会が経済を変える時代です。日本には、経済問題はなく、あるのは社会問題です。求められているのは、社会制度の変革、政策の変革、慣行の革新です。
  • ドラッカーは次のような言葉を生み出しました。
    「分権化」「事業部制」「目標管理」「知識労働者」「民営化」「時間管理」
  • ドラッカーは何十冊もの本を書いています。
    その要諦は、時間管理=「いかに有効に時間を使うか」です。
  • 孔子の「修身斉家 治国平天下」(しゅうしん せいか ちこく へいてんか)とは、
    「身を修め、家を斉(ととの)え、国を治め、天下を平らかにする」
    とのことで、ドラッカーは孔子と同じことをいっています。
    孔子(紀元前552年生まれ)の時代には時計はありませんでした。
    孔子は政治に、ドラッカーは企業に重点をおいています。
    ドラッカーのエッセンスは時間管理、孔子のエッセンスは「平天下」です。

時間に関する英語のことわざ
  • He that is master of himself, will soon be master of others. おのれを制するものが、やがて人を制する。
  • Punctuality is the soul of business. 時間厳守は仕事の極意 

2007年7月2日月曜日

市場原理主義の構造

社会構造はダイヤ型から「さかさじょうご型」へ
  • 鈴木大拙は、
    「西欧文化にはものごとを二分してしまう傾向があり、世界文化の形成におもしろからぬ影響をおよぼす。
    それに反して東洋の思想には対立を超える英知がある」
    と述べましたが、彼の望んだ時代はかえって遠のいているのが現状です。
  • アメリカが主導するグローバル資本主義思想が世界を席巻し、
    「選択と集中」
    「市場主義」
    「競争社会」
    「規制緩和」
    「構造改革」
    「小さい政府」
    「地方分権」
    「自己責任」
    などの標語が喧伝(けんでん)され、深く進行しています。
  • デジタルデバイドに象徴される「選択と集中」は、少数の国、少数の都市、少数の企業、少数の人を選別し、他を切り捨てることであり、「選別と切り捨て」の別名です。
  • 今や生産性の高いところと低いところの格差はひろがる一方です。世界はギスギス社会となり、無力感、閉塞感が漂い、明日への希望が見えません。
    人々の身や心は痛みっぱなしです。
  • しかし、これからの社会の基調は「国際協調」で、資本主義観にしても株主至上主義から従業員、顧客、地域社会、地球環境をバランスよく配慮したものになるべきです。
  • 日本においても、蕉風の「不易流行」の精神に立ち戻る必要があります。
    「流行」は時代とともにどんどん変化していくものですが、「不易」はグローバリズムの風潮の中にあっても変えてはならない終身雇用などの日本社会の土台です。
    闇雲なギスギスした市場原理主義を相対化し、中間層をさらに厚くし、みんなが少し貧しく、人間が主人公であるようなおもいやりのあるシットリ社会をめざしたいものです。

松阪現象とワーキングプアは同根
  • 強いものはより強く、弱いものはより弱く、という方向へ社会構造がどんどん変化してきています。プロ野球に国境がなくなったおかげで、松坂の年俸が10億を超えました。
  • 国境がなくなり、また仕事の平準化が進んだために、時給1000円の仕事も「よその国では100円で引き受けていますよ」との声のもと、どんどん引き下げられています。
  • かつてはレジでの会計は数字うちに一定の技術が必要とされましたが、いまでは商品を読み取らせるだけでOKとなり、いずれ機械が価格を自動読み取りするようになります。
    企業は誰がやっても同じという仕事をどんどん拡大させています。
  • 国内の雇用者数は5000万人、そのうち非正規雇用者は3分の1の1700万人を占めます。
    非正規雇用者とは、パート、アルバイト、派遣、契約社員のことです。
    1700万人の非正規雇用者のうち、1300万人が年収200万円以下です。
    銀行の窓口業務も非正規雇用者にとってかわられつつあります。
    この層はこれからも増え続けます。(「連合」の組合員700万人の年収は700万円です。「連合」は分配の不公平に声を上げていません。)

図解のヒント
  • [オートシェイプ]―[フローチャート]―[せん孔テープ]。[左右反転]