2007年6月26日火曜日

ウェブ2.0とは総表現社会のこと

ウェブ2.0の世界

リアル、ウェブ1.0、ウブ2.0の比較

「人間は社会的動物である」とのべたのは紀元前のアリストテレスですが、ネットの世界にも、ウェブ2.0という形で、花開きました。産業革命以上におおきい情報革命の成果がウェブ2.0といえます。
  1. ウェブ2.0がネット社会、リアル社会に地殻変動を起こしています。
    ウェブ2.0とは、インターネット第2世代という意味で、ブログなどのように一般人が能動的に参加できるウェブのことです。
    ウィキペディア、ブログ、SNS、You Tubeなどが代表例です。
    これからはユーザーと制作者がフラットな関係になります。
    ボランティア活動が活発になると思われます。
  2. 従来のウェブとの最大のちがいは、どこでもだれもがウェブ上で情報の操作ができることです。

    いわばウェブ1.0が従来の大学の講義形式だとすれば、ウェブ2.0は大学祭、あるいは自主運営講座のようなものです。

  3. Google Mapsはユーザが情報を書き込めるようになっています。
  4. ウィキペディアのようにウェブ上で情報や機能が、不特定多数により、加工されるようになりました。
    不特定多数が信頼しあってこそ、可能になる作業です。(今までは、ブリタニカのように製作者が作った状態で完結しており、ユーザはそれを利用するだけでした。)
  5. ブ ログやMIXI、GREEのようなSNS(ソーシャルネットワークサイト)のように、多くのユーザが参加して情報を出し合うことで、その蓄積が全体として 巨大な集合知を形成します。
    これらは何回でも編集し直すことができます。
    ブログの更新情報の配布などに使われるRSSも注目されています。
  6. You Tube は個人が作成などした動画をネット上で 無料で投稿、視聴できるサイトです。
  7. 検索連動型広告やアフィリエイト広告により、多品種少量の商品が流通するようになりました。
    検索連動型広告 とは、検索をかけたキーワードに対応して表示される広告のことです。
    アフィリエイト広告とは、あるページに貼られた広告のことです。
    ユーザ がそこを経由して商品を購入したりすると、管理者に報酬が 支払われるというシステムです。
    また、あるページの内容に合致した広告を表示する自動掲載広告もあります。
  8. インターネットの社会では、自分から働きかけない限り、自分に何もおきません、存在しないのと同じです。
    働きかけることによって、新しい情報、機会、価値が生まれます。
    いま「総表現社会」が到来したといえましょう。


【cf.】IT略史

1986年サン・マイクロシステムズ、オラクル、マイクロソフト株式を公開
1995年アマゾン、イーベイ、ヤフー創業。「ウェブ1.0」

1980年代 パソコン
1990年代 インターネット
2000年代 ウェブ2.0 こちらとあちらの融合

日立、東芝、富士通、NECといった日本のIT企業は、インターネットやウェブ2.0への足がかりをつかめていません。

2007年6月12日火曜日

ロングテールは絶好のチャンス

ロングテール現象

  • ロングテール(Long Tail=長いしっぽ)現象とは、店頭にない無名の書籍などが、店頭の書籍の販売額を上回ったりすることです。
    リアル書店にはない無名の本が、アマゾンでは売り上げの8割を占めます。
    図の黄色の部分が書店であつかう品目で、恐竜の頭のように見えます。
    ブルーの部分が ロングテールです。
  • かつてのマーケット理論は「ニッパチの法則」でした。
    「2割の商品が売り上げの8割を占める」「航空会社の乗客の2割が売り上げの8割を占める」などです。
  • 今は市場という恐竜を支配するのは、ヘッドではなく、長いしっぽ(ロングテール)となってきています。
    ロングテールとは、ウェブ2.0の主柱をなす概念で、無数のYouのことです。
    紙媒体の雑誌はプロの書き手と編集者のコラボ(共同作業)ですが、ウェブ2.0では無数のYou(=ロングテール)が、 編集者を通さずにコンテンツをつくっていきます。
  • 米誌『Time』は、2006年の「Person of the Year(今年の人)」に「You(あなた)」を選びました。ネット社会がリアル社会に地殻変動を起こす「総表現者時代」の到来を予見した決定です。
  • ウェブ2.0の例としては、クチコミサイトの「価格.コム」「@コスメ」、Q&A コミュニティの「はてな」「OKWave」、SNS(ソーシャル ネットワークサイト)の「mixi」「GREE」、ブログの「ココログ」「エキサイトブログ」、さらには誰もが書き込めるネット上の百科事典「 ウィキペディア」、「アマゾン」の書評、動画共有サイト「YouTube」があります。
  • ロングテールは、長年にわたり市場経済を支配してきたニッパチの法則を打ち破るパラダイム (paradigm、枠組み)であり、無数のYouにとって血湧き肉躍るフロンティアの登場で す。

【追】
ブッシュはイラクという頭をたたくのに性急なあまり、うしろにひかえるイスラム世界というロングテールを無視しているようです。
世界の4人に1人がイスラ ム教徒です。
取るに足らない大多数はいまアメリカが発明した携帯電話やミニ兵器を使って、ものを言いはじめています。

イスラム世界は、かつての弟である西 欧にすさまじい怨念を何百年来有しています。
怨念は論理ではないので、ちっとやそっとでセットできません。
恐竜のしっぽはアメリカ一極支配を解体しはじめ ました。ロングテール効果を活用して、silent majority(声なき大衆)がいつのまにかvocal majority(声を出す大衆)になり、世界を変える契機をつかんだといえましょう。
イスラム教徒の人口